衿の仕上げ(1)
半衿は出し加減が大切ですね。どのくらい出したら良いのでしょう?おおよそ指巾一本分くらいが目安ですが、刺繍の半衿など素敵な部分を目立たせたいような半衿の場合には、少し多めに出した方が素敵ですね。喪服の時は控えめに半衿を出しますので、多めに半衿を見せるのは相応しくありません。慣れるまでは、普通の巾で練習されることをお勧めします。
衿の出し加減
半衿の出し方によって、品よくも悪くもなってしまいますね。衿の出し加減はお好みなのですが、全体のバランスが大切です。ほど良い幅で仕上げたはずなのに、時間と共に半衿が隠れてしまった経験はありませんか?気にして、さりげなく半衿を出すしぐさもよく目にしますね。女性らしく美しいとも思いますが、着上がりましたら半衿には手を触れない方が良いですね。ご自分の手垢で半衿を汚してしまうからです。
着付けの段階で半衿が動かないように整えておかなければ、いくら半衿を出そうと頑張ってもすぐに戻ってしまうのです。全く意味がないのですね・・・。ですから、半衿が隠れてしまわない着付け、衿合わせをすればいいのです。
それにはやはり、補整は欠かせません。補整は必要ないとお考えの方も多くいらっしゃると思います。しかし、補整をされていない方は、やはりそれなりの着方になっています。普段着はそこまで必要ないかもしれませんね。好き好きですので何とも言えませんが、私は「衿元は大切なポイント」と考えていますので、補整は欠かせません。
半衿を出す位置
半衿はどのくらいの位置から出すのが良いのでしょう?前だけを出そうとすると 少し少ないかもしれませんね。ちょっと窮屈に見えますものね。ゆったりとした衿元は、耳たぶの下あたりから出します。横から見ても綺麗な半衿がわかります。もしこの位置から出してもまだ半衿が隠れてしまうという方は、もう少し後ろから出してみてくださいね。慣れるとお好きなところから位置決めできるようになって参ります。刺繍の半衿の時は少し多めに出したいので少し後ろから、紬の時は控えめが良いので耳たぶの下から…などと調整できると素敵ですね。
重ね衿の出し方
では重ね衿はどうでしょう?あまり出過ぎていると見苦しいですね。着付けの時には少し見えている程度で充分です。着上がるときには丁度良い出具合になっています。重ね衿の位置・幅が決まりましたら、少し引き気味にして衿合わせをします。なぜ引き気味にするのでしょう?理由は重ね衿がたるまないようにする為です。重ね衿はピーンと張っているから美しいのです。たるんでいたら見苦しくなりますね。また幅が広がってしまうこと防ぐためでもあります。美しさを保てるような着付けを心がけたいですね。
一般的な重ね衿の場合、耳たぶより後ろは 着物の衿から出ないように整えます。耳たぶの下から前のみ見せるようにします。着付け学院等によっては、後ろも出される着付け方法もあります。どちらが正しいという決まりはありませんので、見比べてみてどちらが美しいかによってご自身でご判断くださいね。私は、後ろは見せない方が美しいと考えていますので、後ろには重ね衿を出さない着付け方法にしています。
※ 例外として、レースなどの重ね衿は後ろも華やかに見せます。
衿元を美しく整える便利な小物
伊達締め
ひと口に伊達締めと言いましても、タイプがいろいろとあります。
- ポリエステル素材の伊達締め
- ポリエステル素材の伊達締めに金具のついたもの
- 正絹博多織の伊達締め
- マジックテープで留める伊達締め ・・・ など
コーリンベルト
種類が豊富です。留め具の違い(金具のものとプラスティックのもの)がありますが、使用の際の大きな違いはありません。プラスティックの留め具の場合、年数と共に劣化することがありますので、しばらく使わない状態のコーリンベルトは使用前に確認してみましょう。着付け途中で留め具が壊れて(割れて)しまうこともあります。留め具が金具の場合もプラスティック同様、使用前に確認してみてください。錆が出てしまっている場合もありますし、金具部分が壊れ、ちゃんと留められない状態になっていることもあります。
衿芯
衿芯の種類によっても衿合わせの美しさがが違ってきますので、お好きな衿芯のタイプで衿元を研究しましょう。
半衿
半衿のつけ方によっても、衿元の美しさに違いが出ます。